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地域ブランドが確立できるブドウ作りがしたい

福岡市博多区 光安綜一郎さん(27歳)

福岡市博多区月隈で代々ブドウを栽培している光安さん一家。長男の綜一郎さんは、昨年7月から父の浩一郎さんのもとで、栽培技術を学びながらブドウ栽培に取り組んでいます。今回はブドウ農家の4代目として就農した綜一郎さんにインタビューしました。(令和2年8月取材)

Q)前職は何をされていましたか?就農を決めたきっかけは?

 大学卒業後、広告代理店に3年勤めました。担当業務は、取引先との打ち合わせや納品作業などです。複数の仕事を同時進行で受け持ち、とにかく人と会ってやりとりする仕事が多かったです。一方で、子どもの頃から後を継ぐことは考えていました。そして社会に出てみて、実家に土地や家業があることは恵まれている、この強みを生かして何かしたいと改めて感じ、就農に至りました。

Q)就農してどのような魅力ややりがいを感じますか?また大変なことは?

 分かりやすい点で言えば、収穫が一番の魅力です。一年間、父とともに農作業に励み、初収穫を迎えた時には、農業のやりがいを感じました。また、ブドウの栽培という一つのことに専念して仕事ができる点にも魅力を感じています。細かい点で言えば、作業効率を上げるために提案したことを、父が取り入れてくれたこともやりがいにつながっています。実際に大変だった作業が改善すると、他の課題に対しても「良いアイデアはないだろうか」と前向きに取り組め、自分自身のモチベーションアップにもつながっています。今後は、前職の知識を生かしてパソコンでのデータ管理を充実できればと考えています。

 今は父と一緒に作業しているので、技術的に大変だと感じることはまだありません。ただ、就農前は収穫時期しか手伝ったことがなかったので、その後の畑の管理などの大変さは感じています。土づくりや剪定など、翌年に向けてどれだけ手をかけてブドウが作られているのかは、就農して初めて分かりました。将来的な点で言えば、自分で農薬や肥料を選び、施していく立場になるので、これから種類や量などを覚えていくことが大変になるのではないかなと思っています。基本的な知識や新しい情報は、JA職員や県の普及指導員からも教わりながら、しっかりと勉強していきたいです。

Q)将来の夢や目標は?

 まだ専門的なことが分からない状態なので、まず仕事と照らし合わせて聞きたいことを聞ける知識を身につけたいです。昨年、青壮年部で情報交換した時は、知識が不足している部分もあり、あまり質問できませんでした。今年は新型コロナウィルスの影響で、他の部員と会える機会がないので、この期間に知識を増やして、次の情報交換の機会には、先輩方に色々聞けるように質問力をつけたいです。

 将来的には、長くブドウを栽培している地域でもあることをPRして、地域ブランドを確立することが夢です。私は大学で農業経済学を学びました。その時に感じたのは、就農者を増やすためには、収入面を切り離すことができないというころです。安定した農業経営ができれば、「自分も後を継いでみよう」「自分も農業をやってみたい」という後継者の創出にもつながると思います。農業の魅力が発信できるよう、まずはしっかりと収益を上げるような農業経営をめざしたいです。